「自分を特別扱いしてほしい」ということは、
誰しも少なからず思っているのではないでしょうか。
ただ、その思いが行動として透けて見えてしまうと、
協力者が集まらなくなってしまいます。
私は職業の紹介の仕事をしているのですが、
特別なルート(通常の面接とは異なる経営層などのコネクション)のつながりを活かした、
特別な手配を要求されることがあります。
これを行うことで、確かにいい結果は得られやすくなるかもしれません。
ただ、もっといい結果を得る方法があります。
それは、本人が希望する会社のために特別な準備をするということです。
特別な準備とは何か、
◎企業ホームページの確認だけでなく、ベンチマーク先となる競合との方針の違いや、組織力の利点・不利点の整理、企業理念や事業ビジョンの実現に向け足りていないことの仮説構築など
◎有価証券報告書や、財務諸表など(上場企業であれば調べられます)、ファイナンスの観点から現状の課題を把握し、対策となる仮説を複数立てておき、面接の場で仮説が通用するのかどうか確認する
◎経験の棚卸しをこれ以上出ないというところまで行う。
例>ある会社では、面接の際に、
「あなたにとって今までに直面した最大の難問、あるいは状況は何ですか? それをどのように越えてきましたか?具体的に事例で答えてください。」といった質問があります。
回答を行なったのちに、
→もし仮に、その時期に戻れるとしたら、他にどのような打ち手を講じますか?(※状況把握の深みを確認し、オーナーシップを有することを期待している)
→打ち手の具体的プランをもう少し詳しく教えてください。(※実現を想定して話をしているのかを期待している)
→何故そのプランなのですか?(※課題と認識するポイントがずれていないか、課題に対する適切な打ち手なのかどうかを期待している)
→そのプランのバリュー(価値)は何ですか?(※お客様のメリットに繋がるかなど、カルチャーFITがあるかを期待している)
このように、深く入り込んだ質問を複数回投げかけられます。
合理的かつ論理的な企業風土の会社は、このような面接スタイルをとりますが、
企業の価値観により、面接の傾向は異なります。
業界の知見や、特別なスキル・経験を求められるミッションについては、
その業界を経験しているからこそ知り得る具体的なノウハウを活かした、対象企業に足りていないであろう課題解決策や能力を補完できることを示すことを目的とした、
具体的な知識やプランを提示する必要があります。
特別な準備とは、
自らが想定する準備の数段上の準備を行うということです。
つまりは、相手の役に立つために、相手を特別扱いするということです。
ここは表現が難しいところなのですが、
冒頭の職業紹介の例のように、「特別なルートを提供する」ということだけでは、
おそらく、優しさがずれています。
もし、この特別な配慮が功を奏し、準備がなおざりでも成果が出たとしても、相手の成長には繋がらないことに加え、そこで旨みを感じてしまうと、今後もそのような特別な配慮を求め続ける人生となってしまうかもしれません。
※努力を全うした方であれば、私も対象企業の力になれると確信できますし、直接決裁者と繋ぐなどの対応をとりたくなります。
本質的な努力こそが、確かな結果につながるということを、私は伝えたいと考えていますし、
再現性の高い成果を出し続けるには、自らが成長し、どのような環境下(支援者がいなくなっても)においても、成果を出せるようにならないといけません。
特別な存在となるには、
相手のために、自らの努力を特別扱いすることでしか、成し得ないのではないでしょうか。
自らを特別扱いせず、相手に確かな価値提供をできるように、私も精進していきます。